Helen Kaminski x Bábbarra Collaboration
2024.04.12ヘレンカミンスキーは、先住民ファッション プロジェクト (IFP) が推進、バッバラ女性センターが協業する、先住民族の利益と文化を保護することを目的としたコラボレーションに参画できることを誇りに思います。デザイナーのフィービー・ハイルズとマスタークラフトパーソンのギャリー・ビショップはオーストラリア北部アーネムランドを訪れ、アーティストやコミュニティと出会い、知識を共有する美しく有意義な時間を過ごしました。
バッバラ女性センター – 熟練したハンドプリント技術
マニングリダは、オーストラリア、ノーザンテリトリー州の州都ダーウィンから東に500キロ、アーネムランドの北海岸に位置しています。飛行時間はわずか1時間ですが、眼下には熱帯の湿地、低木林、岩礁、平原を蛇行する清流が広がります。その驚異の中に、古代特有の美しさがあります。
バッバラ女性センターのマネージャー、ジェス・スタレンバーグとアーティストのジャネット・マラワーは、カラフルなトルーピートラックで出迎えてくれました。
1983年に設立されたセンターは、女性たちが知識とアイデアを共有するための安全な空間として作られました。1989年には、主要な社会事業としてバッバラ・デザインが設立され、精緻なデザインと手刷りのテキスタイルによって創造性を促し、彼女たち自身と地域社会の経済的自立に寄与しています。現在では、オーストラリアで最も古い先住民の織物工房のひとつとして知られています。
現在活動しているメンバーの母親や叔母の多くもアーティストとして活躍しており、長年にわたって技術と知識が受け継がれています。伝統と創造性をそのまま残すだけでなく、世代を超えて解釈され、女性たちの間に強い結びつきを生み出しているのです。
今回はバッバラ女性センターに所属する2人のアーティスト、ジャネット・カリジャン・マラワーとエリザベス・コジジャン・ウルンミングとコラボレーションアイテムを制作しました。シニアアーティストのジャネットは約40年にわたってバッバラ女性センターでテキスタイルをベースにしたアートワークを制作しています。エリザベスはマニングリダの東、ブライス川の河口を故郷とするアンバラ・ブラーラ族の女性です。
ふたりと出会い、対話を重ね、奥深い創造性によって作品に命が吹き込まれる瞬間に立ち会うことができたのは非常に貴重な経験となりました。ジャネットとエリザベスの祖先の物語に基づいた美しいテキスタイルデザインは、数量限定のコレクションとして公開されます。
芸術と祖先にまつわる物語
ダカッラ (Dakarra)
個人と代々受け継がれている土地とのあいだには、重要なつながりがあり、それに准えた物語は、地理的、神話的、文化的知識を伝承しています。エリザベスの作品「ダカッラ」は、ユニークな貝の一種であるコケモモの祖先の物語と、その民族が享受した漁業のライフスタイルを伝えています。ヘレンカミンスキーのために独自に作成されたテキスタイルは、正方形にブロッキングされたパターンを手作業でプリントされています。このプレス技術は非常に高度で、1メートルの完成までに約1 ~ 2日を要します。
エリザベスの作品には2つの異なる色相が重ねられており、その複雑なデザインは視覚的に魅了するだけでなく、生地自体にも豊かな触感を与えるのです。
クンレッド・クンクラ (Kunred Kunkurra)
ジャネットの作品「クンレッド・クンクラ」は、西アーネムランドにあるジャネットの一族の故郷マンコールロッドで嵐が起こるまでの、渦巻く風と地中の稲妻が描かれており、先祖伝来の物語を伝えています。単一の鮮やかで美しいブルーでハンドプリントされたテキスタイルは、エリザベスのアートワークと同様、完成までに膨大な技術と時間がかかります。ユニークな描画は目を惹くだけでなく、スタイリングの楽しみも広げてくれます。
先住民族とのコラボレーションは、ヘレンカミンスキーの多くのコレクション制作を支えるスリランカの職人たちにもリンクします。マダガスカルで収穫されたラフィアを職人たちがブレードに編み上げ、ハンドプリントされたテキスタイルを合わせてサンバイザーを制作しました。私たちが重要視するクラフトパーソンシップの系譜に紡がれた新たなつながりは、今後何年にもわたって、文化、国、人々に有意義な喜びをもたらしてくれるでしょう。
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