Meet the Makers: Garry Bishop
2022.09.09ヘレンカミンスキーのすべての作品には、クラフトパーソンによる卓越した技術、美しさ、創造性、革新性、アイコニックなデザインなどの想いが、詩を編むように織り込まれています。 すべての細部は、熟練した職人によって磨き上げられます。
ヘレンカミンスキーのマスタークラフトパーソンであるギャリー・ビショップは、生産過程において最も重要な役割を担い、知性、精神、専門知識をもたらしています。
クラフトへの真の情熱を持って積み上げた長年の経験、研ぎ澄ました芸術性、マスタークラフトパーソンになるまでの道のりをビショップ氏に聞きました。
クラフトパーソンとしての道のりについて教えてください。どのように帽子の作り方を学び始めましたか?
昔ながらの技術や才能をスキルとして称え続けることは今日のファッション業界では稀有となりつつあります。優れた工芸技術を保存することは、なぜ重要なのでしょうか。
スキルと職人技を維持することは、品質を保つだけでなく、革新に実現性を持たせるために重要です。これらが失われれば、製品は何年も変わり映えせず、本質との関連性が失われます。
絶えることのないインスピレーション、創造と革新へ導いてくれる源を教えてください。
ヘレンカミンスキーのクリエイティブなデザインチームと、信じられないほど熟練を遂げている職人たちですね。
ヘレンカミンスキーのアクセサリーは、ギャリー氏によって進化を遂げてきました。コレクションに使われる素材は多岐に渡りますが、特に思い入れのある素材はありますか?
ラフィアは常に私たちのブランドの礎となっています。作品のために収穫されるラフィアは葉の部分です。収穫プロセスは持続可能な方法を採択し、植物を傷つけることなく、成長を妨げることがありません。
ラフィアは適度な油分を含んでいるため柔軟で、さまざまな技術に応えてくれる、私のお気に入りの素材です。ラフィアは極めて耐久性に優れており、スチームを当てて型崩れを再成型したりと、コレクションに大きな価値をもたらしてくれます。このラフィアの特性とクラフトパーソンの技術が組み合わさることで、ヘレンカミンスキーの製品は毎日着用したとしても、何年にもわたって品質と外観を維持することができるのです。
ギャリー氏の仕事は実に多方面にわたります。どの分野が最も発展していますか?
スリランカの村のリーダーと協力し、新しい人材に職人となるためのトレーニングとスキルアッププログラムを開発し、家族のために収入を得る機会へ支援していくことは、最もやりがいがあります。
私の仕事のもうひとつの重要な部分は、素晴らしいデザイナーたちの、新しい、そして時にはとても型破りな発想を形にするべく熟考し、命を吹き込むことです。わたしたちはチームの共同作業を重視し、常に新しく革新的な働き方を模索しています。ヘレンカミンスキーの帽子を20年以上愛用していらっしゃるお客様のお話を聞いたときには、心から充足感を覚えました。これまでのプロセスと、積み上げてきたクラフトスキルの真の功績です。
サステナビリティとクラフトパーソンシップはファッション業界において重要な要素ですが、あなたの働き方をどのように形作り、進化させてきましたか?
ファッションは消費者と密に向かい合っている産業です。今日、消費者は生産者への期待について、その意思を表示してくれるようになってきており、ブランドに社会的責任と環境への配慮について、より透明性を高めるよう求めています。時代の移り変わりに伴い、ブランドは新しい選択を模索することができるようになりました。リサイクルされたコンシャスな原材料を調達したり、デッドストックをアップサイクルすることになどもその一環です。より技術的なレベルをお話しすると、スリランカの染色工場では廃水をリサイクルさせたり、リサイクル可能な道具を使用するなどのアプローチもあります。
お気に入りのヘレンカミンスキーの帽子は?
Provence 12です、完璧な帽子でしょう。スタイリッシュで実用的で、作るのがとても難しい。この技術を習得するには、多くのスキルと時間がかかります。完成までには3日以上を要し、18,000以上の編み目で成型され、目に見える結び目や接合部はありません。
プライベートな時間はどのように過ごしますか?
ランニングと運動を楽しんでいます。 また、子供たちがスポーツをしているのを見るのも大好きです。
好きなスポーツは?
フットボールですね。 私はリバプールFCのサポーターです、YNWA Always! (リバプールのアンセム、you'll never walk aloneの意)
もしあなたがマスタークラフトパーソンでなかったら…
マスタービルダー(製作者)でしょう!
私は18歳でフェルト帽子職人の見習いとしてキャリアをスタートしました。常に、実践的かつ創造的な仕事に興味を持っており、幸運にも、この分野で40年以上の経験を持つ3人の非常に経験豊富なファーフェルトハットメーカーからトレーニングを受けることができました。ヘレンカミンスキーとの出会いは20代半ばです。私が入社した時は誰もラフィアを扱った経験がなかったので、文献を探り独学に励み、試行錯誤を繰り返しながら、技術を身につけてきました。